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Show Technology 1 2010年08月
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Show Technology 1
旧 演出照明/映像制御 / MileruntechBlog 2008~2011まで
メタルから光へ その2
 昨年の後半あたりから、自分がファイバーケーブルを頻繁に推奨するようになった経緯を話したい。
2年前のインタービーでLuminex社のSRSを紹介したのだが、これは劇場空間の照明信号システムで非常に有効な装置であり、今後は光が一般的になるだろうと強く感じる製品だった。(もちろんこの時点ではまだ光ファイバ-を使用した劇場はそれほど多くはなかった。フランスの一部の劇場くらいである)
おそらく今後は劇場の幹線は光へと置き換わるだろう。自分はそう考えた。すでに光ファイバーは値段もこなれてきているし、ほとんどの施設ですでに工事の実績もある。それが劇場空間の演出専用信号に応用されても不思議はない。(結果的に、日本初のファイバー敷設は新国立劇場の3劇場となった)

 しかしながらこの時点で、仮設現場向けのケーブルで満足のいく製品はほとんどなく、Luminexもオプティカルコンを採用している状態だった。自分はこれに納得ができず、他のものを探し続けていた。またそれと同時にLuminex社にも他の製品でもっと画期的なものがないかを探すように依頼したのだ。その結果、見つけたのがレンズテクノロジーを使うFiberFoxのコネクターであり、屋外用のミリタリーケーブルという組み合わせだった。

 マイルランテックのコンセプトは、ショーテクノロジーに関する、カッティングエッジな製品を見つけ、これを紹介する又は、他社製品とマッシュアップしたソリューションを提案することであり、そういう目線で見た時にFiberFox以外の製品はいまひとつだった。一時期、他社が扱う音響向けのケーブルなどを組み合わせるかと、検討した時期もあるが、音響に特化しすぎだったり、仕組みが平凡だったりした。結果的に自分で見つけようと思い、今に至るのだ。

 こうしていろいろな製品を探していて感じたのだが、光ファイバーはケーブル同士を接続することが難しい。その理由はファイバー同士を接続することで起こる通信品質の劣化である。デジタル信号故に電気のようにつながってさえいればいいのではなく、理想的な接続が求められ、接続ポイントにはダストによる影も許されない。

光ファイバーの接続ポイントにおける問題点は以下に挙げる通りだ。

1 ケーブルの接続角度
2 接続時の光軸のずれ
3 接続面で起こるギャップ
4 ファイバー表面


 光ファイバーケーブルは互いに直線で固定されなければならず、角度や光軸のずれがあってはリンクロスを起こす。そこでさまざまなコネクターが作られているが、おおむねこの角度の問題やずれに関しては、ほとんどのコネクターでカバーできる。また、ファイバー同士の接続面に空気のギャップがあっては屈折率が変るため、ギャップもあってはいけない。そこでほとんどのケーブルは面を接するように作られる。

しかしながら、表面に汚れがあるとこれが影となり、やはりリンクロスを起こすだけでなく、ファイバー表面を接地するため、接続するたびに消耗するということはあまり知られていない。これを解消する製品がないものか?と真剣に探した。なぜなら仮設のステージ現場はコネクターによるコネクトとディスコネクトを繰り返すものだからだ。そして頑丈でありながら扱いが容易なケーブルでなければならない。

この問題をクリアするのはミリタリー現場向けのケーブルしかない。そこでレンズテクノロジーに出会うのである。( FiberFox以外にもミリタリー向け製品でレンズテクノロジーを使うコネクターが存在する)
そこで、今年の初頭から本格的に自信をもって推奨できる光ファイバーのケーブルを直接、販売するに至るのです。それがFiberfoxというブランドです。
これは映像にも照明にも、そして音響の人にもレコメンドできる製品だと思う。コネクターは水没しても問題ないIP68であり、レンズ効果によりほこりなどの汚れにも強く、扱いは容易である点などは、舞台にぴったりだと思うのである。しかも想像よりも安いと自分は感じる。(人にもよりますが、これまでのお客さんの反応は概ね安いという反応だった)これが強くファイバ-を推薦する理由なのです。 

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メタルから光へ その1
 
 タイトルの意味は「今後はステージ分野において、信号の幹線となるケーブルは、光ファイバーがスタンダードになる」です。これは映像/照明/音響すべてに共通する話。
(信号の幹線とはステージとコントロールブースをつなぐような、メイン回線又は長距離にわたり延長される信号線などの意)

 とまあ、こう断言すると必ず反発があるわけで「それはあなたの主観で現場では必要を感じてない」とか、「照明はDMXで十分」「光ファイバーは高価」「ワイヤレスは?」といった意見が聞こえてきそうだが、そもそも仕事の分野ごとに、導入障壁が異なる上、必要性を感じている人とそうでない人の違いも大きい。そしてワイヤレスの話は、ネットワークの末端で使うべきワイヤレス(照明の)を、システムの幹線として使用するケーブルの選択という論点で混同して議論しようとしている。これは違う。

 もちろんここでは、大規模なイベントや公演に関わる話を対象としており、照明さんの場合、そうでない現場の場合、メタルで十分なケースも多々あるだろう。しかしながら、映像さんの場合や電飾さん、そして音響さんの場合は、光ファイバーの利点は非常に大きいと思うし、それは照明においてもきっと同じだと思うのである。いくつかの事例を挙げよう。

 映像の場合、引き回せる距離の点でもノイズのない高品質な映像を伝送できる点でも今後は光ファイバー以外に選択の余地はないと思う。同軸では100m程度かそれ以下が限度だろうし、またノイズの影響を受ける点でメタルでは配線に注意を必要としたが、光ならその心配はない。1コアでHDSDIの信号が伝送できるからマルチコアのケーブルを選択すれば多チャンネル伝送もできる。そしてコンバーターも多くのメーカーから販売されていて意外に安価である。照明などと異なりイーサネットにするわけではないため、導入障壁は低い。事実、すでに多くの映像会社が部分的にせよ、光ファイバーを導入しているのは光ケーブルの利点を理解した結果なのだろう。残念なことは、その多くは長もので1本ものであり、末端はSC等のもろいコネクターのついたケーブルを選択していること。これでは扱いが不便で光ケーブルの利点をあまり感じないだろう。(このブログのその2を読んでほしい。)

すでに光ケーブルを導入しているケースとしては、電飾さんも同様だと思う。電飾さんの場合、映像を扱うだけでなく大量のDMXを伝送する場合もあり、こうした場合にイーサネット用のケーブルとして光は最適となる。DMXのマルチケーブルを大量に用意するより、光ケーブルを100m巻きで用意し、連結して利用したほうが便利なはずだ。イーサネットなら大量のDMXユニバースを伝送できる。しかしこの場合はシステムのイーサネット化が前提だ。

 次に劇場空間に敷設する照明信号の幹線として見た場合、これはベストな選択だと思う。昔に比べケーブルの扱いが容易になった上にコストも下がってきた。そしてなにより将来、データ伝送の帯域が拡大した場合でも光であれば、メタルとは異なり、今、現在設置したケーブルがそのまま将来においても活用できる。いつかギガ帯域になったときに、メタルケーブル(おそらくは今の現場ではCat5e)では対応できない。もちろんこの場合、DMXではなくイーサネット化を前提としているが、照明システムをイーサネット化することで、冗長化のシステムが組みやすく、また、このインフラ上でメーカーは独自のアプリケーションを生みだすことが容易になるはずだ。

 PA分野に関しては、他と同じような話だが、これまでのような重いマルチケーブルを何本も用意しなくとも、ケーブル同士を接続可能な屋外用ケーブル(ミリタリーケーブル)が選択できる今、マルチケーブルと同程度の価格になる光ファイバーは選考対象に入れてもいい。その効果は、ノイズレスで機器間の接続が光である故、アイソレーションされており、アースループも起こらない上に機器間での電位差も無視できるのである。もちろん、両端にエッジデバイスとしてのメディアコンバーターは必要だし、イーサネット化が必要になるが。。

 こうして見ていくと、光ファイバーが全分野で利用可能になっており、また利点が大きいということがわかる。一例に加えなかったイベント分野の照明でも、海外の大規模なコンサートでは光ファイバーが利用されており、やがて日本の照明分野でも光ケーブルを使うことがあたりまえになるだろう。今しばらくは反論に耐えていよう。




大型映写機からデジタル時代へ
 実は照明に関わる以前に少しだけ映像関連に関わった時期がある。その頃の憧れは、巨大な映写装置タラリアだった。と言っても通じる人はかなり限定されるだろう。しかし巨大なプロジェクション装置としては、世界的にも珍しいもので、確かクセノンの放電管かなにかを使った明るいものだった。一度、これを選任で扱う技師に憧れたのだ

ちょうどその頃、皆でバーコと呼んでいたいわゆるバルコのプロジェクターによるリアプロジェクションとか、デュアルスタックによる輝度をかせぐ方法などを目の当たりにしたが、その面倒そうなRGB3管の調整は地味なことがきらいな若造(自分)にはまったく魅力のない世界だった。世の中バブル全盛の時代である。派手なものがかっこいい時代。

 しかし当時、スライド映写機によるディゾルブ演出などはおもしろくて、フィルムは面倒だったけれど、大画面に連続して映し出されるクリアな画像はかっこよかった。そして時代はすぐにマルチキューブの演出へと移り、どこの展示会でも巨大な映像装置が積み上げられて、1画面を構成したり分割した映像が出るといった演出が流行していた。ユーミンのコンサートで彼女がテレビの後ろに隠れたら画面の中に現れるといった演出にも素直に感動していたのを思い出す。

 そのせいか求人雑誌を買っては、マルチキューブ。巨大プロジェクション、大画面オペレーターといううたい文句の求人を眺めながら、これやってみようかなあと真剣に悩んだものでした。(結局は照明に落ちつくのですが)

 今、こうしてデジタル時代を迎え、映像と照明の境界が曖昧になる時代にあって、思い起こすのはすでに90年代からトータルな演出の中で映像が強い牽引力を持つ事はありえたし、その圧倒的なリアルイメージの美しさとそれを操ることで生まれるダイナミック感は、今という時代をある意味必然とする要素だったのかもしれない。

そしてそれを確実なものとしたのが、ムーアの法則とおり指数関数的な進化を持つコンピュータのテクノロジーである。恐ろしいことにこの技術の進化は、ほとんどの人に気づく時間すら与えず彼らを置き去りにするのである。今まで常識だったことを過去へと追いやり、それを拒否する人には牙をむくのだ。

過去から未来へ
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舞台照明の世界に入った頃、照明はPARライトが全盛だった。「Parは航空機のライトを応用したライトなんだ」と自慢げに先輩が説明してくれた。どこの公共ホールにもあるわけではなく、そういう時、PARの代わりに筋を見せる為、凸のスポットを絞ったりした。またこの頃、フィラメントをずらして2本ビームを出したりするテクも教わった。ビーム照明はこの頃、派手なダンスが増えた演劇でも、トレンドな明かりだった。

フレネルスポットは丸茂のFQがまだ新しかった。カッタースポットは940がまだまだ全盛で、羽のまわりはハレーション出まくりだった。とてもカッタースポットと呼べない代物だった。もちろんソースフォーなんて想像もつかす、この頃の最新プロファイルスポットはITOだった。個人的には、ITOのセンタレスが断然かっこよかった。この頃は、本気ですごいと思った。

 当時、ホールで仕事をする時、ベビースポットで「ホリあおり」とかやってた記憶もある。しつこくフィラメントの調整をさせられた。当時は日舞をよくやったから、ディスクマシンや箱波は常にスタンダードな機材だった。スライドキャリアのスポットもよく使った。きれいな雲(有名なデザイナーの名前がついた○○雲)は定番だった。センタレスのネタで画期的だったのは油ネタだった。あるコンサートのツアーでは油ネタを大切に保管して運搬する役目だったりもした。油ネタは貴重なアイテムだった。

コンソールはセルコがスタンダードで、あの大きな卓の前に立ってみたいと密かに思っていた。DMXはまだない。もちろんこの頃にライトパレットが話題になっていた。新しいコンソールのスタイルということで。ノンフェーダー卓という言葉が流行った。照明はこれから大きく進化しようとしている時代だった。

 DMXが普及し始めた頃、DataFlashというプログラマブルなストロボが登場した。これをステージのレイヤーに大量に仕込む電飾さんを見て、これは電飾なのか?と不思議な印象と、電飾会社の拡大をなんとなく感じた。しかし当時、電飾さんは手作りの専用卓をつかっており、まさかその後、彼らがムービングライト卓を使うようになるとはまったく想像できなかった。

外国のバレエ仕事で、Paniを使って地明かりを作った。このときは、もうなんでもありだなと思うようになった。しかし今のような状況は誰も想像できなかった。そう、過去のある時点では想像できないことが未来には起こる。今はそんなばかな。と思えることも未来にはスタンダードになる。日々、進化することを求められるのがテクノロジーに立脚した仕事の宿命だが、コンピューターはすべての業種の基盤を支配してしまった。

はるか昔、照明のデジタル化というテーマで多くの人がそのテーマで話をしていたと思い出すが、彼らとて、LEDを光源にもつプロファイルスポットが誕生する時代をイメージできなかったろう。ロベールジュリアというフランスのトラディショナルなメーカーが写真のようなスポットをリリースした。今、光源、調光システム、プロトコルのすべてが変化している。再度、舞台技術は大きな時代の変化を目の当たりにしている。


Robert Juliat







境界を取り払うことで得られた自由という名のファンタジー
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 奈良の国立博物館は、奈良市登大路町にあり、重要文化財の指定を受けた風格ある建物が印象的。周囲は緑の公園に囲まれており、落ち着いた美しい景観だ。そんな博物館の建物の形状を利用して、catalystによるプロジェクションライティングが短い期間であったが行われたのでレポートしたい。

大阪の光工房さんが組んだシステムはMAonPCのアジェンダで自動制御される演出システムで、すべてのコンテンツは静止画であるものの、Catalystによるレイヤーポジションや回転の機能で見事なアニメーションを作り出していた。
もっとも重要なことはマスクを使って建物の各パーツにそれぞれの画が見事に張り付いており、それはまるでライトアップされた建物のような錯覚を起こす。もちろんLEDをつかった本物の照明も同時に制御されており、これを単に映像プロジェクションと定義すること自体がこっけいに想えるほど、照明と映像の垣根を越えた演出だった。

もし、単なる映像を建物をスクリーンに見立てて送出していたら、これほど多くの観客を集めることも、自然に発生する感嘆の声を得る事はできなかっただろう。これは映像ではないのだ。例えばそれは、静止画とその動きで魅せる非常にユニークな照明演出と言えるだろうか?いや、今や映像も照明もその分類自体が意味をなさず、これぞまさしくプロジェクションライティングであり、こういう演出を実現したことはすばらしいと思う。

ここにまたCatalystとMACによる新しい演出例が誕生した瞬間だった。



プロジェクション演出に新しい風
海外では建物に映像を映すことで映像による照明効果のような演出というのが多く見られますが、日本でもとうとう新しい風が大阪から吹いてきました。

http://www.akarisai.com/
(大阪、光のルネサンスで、カタリストによるプロジェクションライティングが行われています)

Catalystを使用した映像プロジェクションの世界は、アイデアとデザインセンスを持つ多くのデザイナーやクリエイター、そして映像会社だけでなく照明さんのような他の分野の人でも低コストでこういう演出が可能となる世界となる。これこそ、アイデアの勝負であり、ここからが本当のメディアサーバーの土俵なのだと思う。

高価な装置を購入できる人にしかできない演出ではなく、アイデアとセンスだけで皆が勝負できるほうがおもしろいにきまっている。自分はそういう新しいことに挑戦する気概を持つ人すべてを応援したい。その役に立ちたいと思う。願わくば、そういう人たちの仲間になりたい。自分でもチャレンジできる機会があればやってみたいと思う。Catalystはそういう人のための強力なツールになることは間違いない


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